- 2021年4月23日 星期五 年月
- 本文發布時間:2018年06月16日23时23分24秒 瀏覽次數:5326
- 《睡虎地秦簡訳注—秦律十八種·效律·秦律雜抄—》出版
- 日本早稻田大學工藤元男教授編著的《睡虎地秦簡訳注—秦律十八種·效律·秦律雜抄—》,由汲古書院于2018年5月16日刊行。該書432頁。承工藤先生慨允,兹將該書的書影、書序文、目次、後記(あとがき)揭载于次。
書影
序 文
一九七五年末、中国湖北省雲夢県睡虎地の十一号秦墓から一一〇〇余片の竹簡が出土した。それは国際的にも注目され、これを機にその後も秦史に関する簡牘資料があいつぎ、すなわち睡虎地四号秦墓木牘(七六年)、青川郝家坪五十号秦墓木牘(七九年)、天水放馬灘一号秦墓簡牘(八六年)、江陵岳山三十六号秦墓木牘(八六年)、雲夢竜崗六号秦墓簡牘(八九年)、江陵楊家山一三五号墓秦墓簡牘(九一年)、江陵王家台十五号秦墓竹簡(九三年)、沙市周家台三十号秦墓簡牘(九三年)、竜山里耶秦簡(〇二年)等々を数えることができる。これらの発見は秦史研究という限られた分野だけでなく、さらに中国古代史研究全般に対してきわめて大きな影響を与えたといって過言ではない。その先駆けとなったのが睡虎地秦簡の出土であった。その内容は「葉書」(旧名は「編年記」)、「語書」、「秦律十八種」、「效律」、「秦律雑抄」、「法律答問」、「封診式」、「為吏之道」、「日書甲種」、「日書乙種」の十篇で、「秦律十八種」に代表される戦国秦の法制資料が中心となっている。
またこれらの秦簡の出土に前後して、一九八三年に湖北省江陵県張家山二四七号漢墓から、前漢初期の法制資料である「二年律令」、および「奏讞書」が出土し、秦漢法制史研究にさらに大きな弾みを加えた。そのため、睡虎地秦簡の内容をより良く理解するためには、張家山漢簡を精読する必要がでてきた。そこで私の研究室では、張家山漢簡「二年律令」・「奏讞書」の共同研究を開始した。テクストは張家山二四七号漢墓竹簡整理小組『張家山漢墓竹簡〔二四七号墓〕』(文物出版社、二〇〇一年)である。しかし、このテクストの段階ではまだ赤外線カメラによる撮影が施されていなかった。そこで早稲田大学長江流域文化研究所では赤外線カメラを武漢大学簡帛研究中心の陳偉教授に提供し、そのデータに基づく張家山漢簡の日中共同研究を行い、新たな釈文・注釈によるテクストを刊行する協定を取り交わした。こうしてなんども訳注草稿を交わし、忌憚のない相互チェックを行い、数年をへて原稿は完成した。その成果は彭浩・陳偉・工藤元男主編『二年律令與奏讞書』(上海古籍出版社、二〇〇七年)として刊行された。幸い中国の学界からは、テクストレベルで行われた日中共同研究として高い評価をいただいた。
こうして、張家山漢簡の問題が一段落し、ようやく睡虎地秦簡の読み直しの作業に取りかかった。おりしも陳偉教授は二〇〇八年に中国教育部哲学社会科学研究重大課題攻関項目の「秦簡牘的綜合整理与研究」が採択され、その研究の一環として、われわれに対して日本における秦簡研究の現状の紹介を要請した。それは以下の二篇として公刊された。
工藤元男編「日本秦簡研究現状」(武漢大学簡帛研究中心主辦『簡帛』第六輯、二〇一一年)工藤元男編「日本秦簡研究現状(続)」(武漢大学簡帛研究中心主辦『簡帛』第九輯、二〇一四年) 集中的に行われたこれらの作業は、期せずして、内外の秦簡研究の状況も全般的に把握するうえで貴重な経験となった。たしかにわれわれに与えられた課題は日本における秦簡研究の現状調査であったが、対象となる各論文はみな内外の研究状況をふまえて書いているわけであるから、当然のことである。
一方、陳偉教授の方でも赤外線カメラに基づく秦簡の新テクスト作成の準備が進められ、睡虎地秦簡におけるその成果として、陳偉主編、彭浩・劉楽賢等撰著『秦簡牘合集――釈文注釈修訂本――』(壹、貳、武漢大学出版社、二〇一六年)が刊行された。われわれの釈文・訳注の作業においても、最終原稿の段階でこの新テクストを参照している。
なお、このたびの睡虎地秦簡の新訳注は全訳注でなく、「秦律十八種」・「效律」・「秦律雑抄」の三篇であるが、それはすべての原文に日本語訳を付けたため、予定の紙幅を大幅に超えてしまったからである。しかしこの三篇は睡虎地秦簡の中核部分を占めるものであり、この三篇だけでも刊行する意味があると考えた。
工藤 元男
目 次
序 文……ⅰ
凡 例……ⅶ
「秦律十八種」訳注……1
田律……3
厩苑律……26
倉律……43
金布律……104
関市律……146
工律……151
工人程……162
均工律……167
徭律……170
司空律……178
軍爵律……210
置吏律……216
效律……223
伝食律……240
行書律……248
内史雑……255
尉雑……274
属邦律……276
「效律」訳注……279
「秦律雑抄」訳注……335
引用文献……403
あとがき……425
執筆者紹介……429
あとがき
これまで行われてきた睡虎地秦簡の訳注、張家山漢簡のテクスト作成、および日本における秦簡研究の紹介などは、すべて研究室の大学院生、もと大学院生、他大学の若手研究者などで構成する早稲田大学「簡帛研究会」の共同作業によるものである。まずはその作業に協力してくれた諸氏に御礼を申し上げなければならない。なかでも、このたびの睡虎地秦簡の訳注をまとめるにあたっては、早稲田大学長江流域文化研究所招聘研究員の楯身智志氏に多大なご尽力をいただいた。末尾ながら、その労に篤く感謝申し上げたい。また、本書は中国教育部哲学社会科学研究重大課題攻関項目「秦簡綜合整理與研究(08JZD0036)(研究代表、武漢大学陳偉教授)」の研究成果の一部である。左に執筆分担一覧を挙げたが、内容に関する責任はすべて監訳注者が負う。
執筆分担者の一人の石岡浩氏は、二〇一四年に亡くなられた。心からご冥福をお祈り致します。
執筆分担一覧
○「秦律十八種」
田律(第六八~七九簡/第一~一二簡) 水間大輔
厩苑律(第八〇~八七簡/第一三~二〇簡)
水間大輔
倉律(第八八~一三〇簡/第二一~六三簡) 谷口建速
金布律(第一三一~一六三簡/第六四~九六簡) 柿沼陽平
関市律(第一六四簡/第九七簡) 柿沼陽平
工律(第一六五~一七四簡/第九八~一〇七簡) 石岡浩・楯身智志
工人程(第一七五~一七七簡/第一〇八~一一〇簡) 池田敦志
均工律(第一七八~一八一簡/第一一一~一一四簡) 池田敦志
徭律(第一八二~一九一簡/第一一五~一二四簡) 小林文治
司空律(第一九二~二一九簡/第一二五~一五二簡) 石岡浩・楯身智志
軍爵律(第二二〇~二二三簡/第一五三~一五六簡) 楯身智志
置吏律(第二二四~二二八簡/第一五七~一六一簡) 楯身智志
效律(第二二九~二四五簡/第一六二~一七八簡) 楯身智志
伝食律(第二四六~二四九簡/第一七九~一八二簡) 楯身智志
行書律(第二五〇~二五二簡/第一八三~一八五簡) 渡邉将智
内史雑(第二五三~二六五簡/第一八六~一九八簡) 廣瀬薫雄
尉雑(第二六六~二六七簡/第一九九~二〇〇簡) 廣瀬薫雄
属邦律(第二六八簡/第二〇一簡) 廣瀬薫雄
○「效律」
[一背][一正][二](第二六九簡背・正~第二七〇簡/第一簡背・正~第二簡)
石岡浩・楯身智志
[三][四](第二七一~二七五簡/第三~七簡) 谷口建速
[五][六][七][八](第二七六~二八六簡/第八~一八簡) 柿沼陽平
[九][一〇][一一][一二][一三][一四][一五][一六][一七]
(第二八七~三〇八簡/第一九~四〇簡) 楯身智志
[一八][一九][二〇][二一](第三〇九~三一二簡/第四一~四四簡) 池田敦志
[二二][二三][二四](第三一三~三一七簡/第四五~四九簡) 渡邉将智
[二五][二六][二七](第三一八~三二二簡/第五〇~五四簡) 水間大輔
[二八][二九][三〇](第三二三~三二八簡/第五五~六〇簡) 廣瀬薫雄
○「秦律雑抄」
[一][二][三][四](第三二九~三三五簡/第一~七簡) 小林文治
[五][六][七](第三三五~三三九簡/第七~一一簡) 楯身智志
[八][九](第三三九~三四四簡/第一一~一六簡) 廣瀬薫雄
[一〇][一一][一二][一三](第三四四~三四九簡/第一六~二一簡)
池田敦志
[一四][一五][一六](第三四九~三五五簡/第二一~二七簡) 柿沼陽平
[一七][一八][一九][二〇](第三五五~三六一簡/第二七~三三簡) 谷口建速
[二一][二二][二三][二四](第三六二~三六六簡/第三四~三八簡) 水間大輔
[二五][二六][二七](第三六六~三七〇簡/第三八~四二簡) 渡邉将智
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